爆謄する米株の買われ過ぎ、売り時を見極めるFear & Greed Indexの有効活用について

爆謄する米株の買われ過ぎ、売り時を見極めるFear & Greed Indexの有効活用について

日本株もこの秋口から海外勢の強力な買戻しが進んだことからかなりじり高状況を続けていますが、それにもまして連日史上最高値を更新して爆騰状態を継続しているのが米国株式市場です。

個人のレベル感から言えばすでにもうかなりいいところまでやってしまっている印象がありますが、トレンドがでればどんなに高値でも買いあがるアルゴリズムが主力の市場取引では迂闊に売り向かっても踏みあげられるだけでかなり注意が必要になってきています。

こうした中で買われ過ぎや売り時といったものを見極めるツールとなるのがCNNが毎日更新しているFear & Greed Indexと呼ばれる指標の利用です。

海外FXを利用していますと米株の指数取引や個別株のCFD売買もできるわけですが、ここでご紹介する指標をチェックしていれば確実に買われ過ぎや売り時を見極めることがでいるのです。

リスクオン・リスクオフを数値化したのがFear & Greed Index

Fear & Greed Indexはいわゆる市場のリスク選好度合いを数値化して見せてくれる指標でCNNでいつでも閲覧することが可能です。

これは概ね7つのエレメントを分析することで統合的に数値化しています。

  • 株価モメンタム S&P500対125日間の移動平均から現在の株価がどれくらい乖離しているか
  • 株価の強さ NY証券取引所で52週間の最高値と最低値を記録した株式の数
  • 株価の幅 株価が上昇している株と下落している株の数量の差
  • プット・アンド・コール・オプション プッシュ/コール・レシオ。強気なコール・オプションの取引量と弱気プット・オプションの取引量の差
  • ジャンク債需要 投資適格債とジャンク債の利回りの差
  • 市場のボラティリティ:ボラティリティを測定するVIX
  • セーフヘブン需要 株式と国債のリターンの差

上記7つのファクターをベースにして0から100の数値で表されるバロメーターとなっています。

50以下は恐怖率が高まり25以下は超恐怖状態ということになります。

逆に50を超え始めると楽観状態に陥り75を超え始めると市場全体が超楽観という状況を示現することになります。

足元の数字は87で11月中盤には91という猛烈な数字もたたき出しています。

いかに市場が楽観相場になっているかを明確に示しているといえるわけです。

この日本語で言うところの恐怖と欲望指数は毎日数字を見るだけではなくチャートかされたデータを確認することで売り場というものがかなりよく見えてくることになります。

90以上100に近づいた時は売り場をさがす時間帯に

過去からのこの数値をチャート化したものを見てみますと、実際の相場の暴落前のタイミングの数字が非常に高くなっていることがわかります。

例えば2018年1月NYダウは史上最高値を更新する動きとなり、この恐怖と欲望指数は瞬間的に90にタッチしています。

しかしその後2月にVIXの売り物が積みあがり過ぎて大きく下げ始めたときに株式市場にも投げがでて瞬間的に20を割り込むほどに恐怖指数が高まることとなっています。

また同じ2018年10月にも高値を更新したもののクリスマス明けの年末再度暴落する過程でも90に近いところから20以下に割り込む動きを示現したことがわかります。

この時は最高2まで数値が落ちています。

直近の指数を見ていますとかなり高いところまで来ていますが、中央銀行バブルの最終局面であることから相場はかなり走りやすい状況で、売り場を探すのであればここから感謝祭を超えてクリスマス前までにどこまで走るのかを見届けたところで売り向かうことになります。

FRBが今年10月から始めたNot QEと呼ばれる事実上のQE的効果を発揮する短期債の購入は確実にFRBの資産を拡大しており、これが来年の2月まで続くことが決定している以上そこまで株は下がらない可能性も十分に考えられます。

したがって90を超えてからも実際の株価をチェックしながらその推移を追ってベストな売りのタイミングを探しはじめることが重要になりそうです。

実際に過去の相場の下落を見てみますとこの指数のチャートが下落し始めたあたりからが大きなチャンスになっていることがわかります。

VIX先物の売り状況をチェックすることも重要

この恐怖と欲望指数では当然VIX指数の推移も加味しているわけですが、それとは別に投機筋が売ることで利益を収めているVIX先物の売り状況をチェックすることも重要になります。

こちらはCMEが毎週日本時間土曜日の早朝に発表するその週の火曜日までのVIX先物の売買状況であるCOTレポートでも確認することができます。

Data CME COTレポート

現状では2018年に売り向かい過ぎて急激に数値が上昇して多くの投機筋が大損を抱えることになったにもかかわらず、またしても先ものの売りが積みあがっており、既にこちらも過去最高レベルに達していることがうかがえます。

今年はいつにもましてファンド勢も儲かっていないことから株の史上最高値更新を楽観視したのか、こちらも過去最高の売りが積みあがっており、大きな巻き戻しが出た場合相場の大暴落に繫がる恐れがではじめています。

このようにご紹介した2つの指標などを見ながら冷静かつ精密に売り場を探していくことがこの年末から年明けにかけて利益を確保するための大きなポイントになりそうです。

米株の動きは日経平均やドル円にもダイレクトに反映してくることになりますので、決して米株だけに利用するツールではないこともあらかじめ理解して置きたいところです。

Fear & Greed Indexを中心にご説明しました。