欧米冬時間到来でFXにはどのような影響がでるか?

欧米冬時間到来でFXにはどのような影響がでるか?

FX取引をしているとご存じの方も多いと思いますがこの時期になりますと欧州、米国が夏時間から冬時間へと移行することになり、取引時間が1時間繰り下げられることになります。日本側はまったく変わらないわけですが、ロンドン、NYの取引は1時間遅くなり、MT4などのトレーディングツールに表示される時間も1時間繰り下げられることになるのです。基本的にはなにもFX取引上では何も変わらないように思えますが、実はリアルなトレードではそれなりの影響がでることがありますので、十分に注意が必要です。今回はそんな夏時間から冬時間への移行についてご紹介していくことにします。

欧米は冬時間、南半球は夏時間到来

欧州は10月27日より夏時間が冬時間になりますので日本から見ますと1時間遅くなります。また11月3日からは米国が冬時間に移行しますのでやはり1時間遅くなります。これにより東京タイム、ロンドンタイム、NYタイムは以下のように分けられることになります。

夏時間の東京タイムですと早ければ日本時間の午後2時ぐらいから早出の欧州勢が相場にしかけをしてきて実際にそれまでとは異なる動きになることもあるわけですが、1時間遅れることによって欧州勢の参入も遅れることになりロンドンの株式市場のスタートは日本時間の午後5時から、また米国の株式市場のスタートは日本時間の午後11時半からとなり、動きは1時間遅れていくことになるのです。

当然のことながら日本の仲値にあたるLondon Fixは午前1時になりますし、NYタイムのオプションのエキスパイア時間も午後11時から深夜12時になります。このあたりは十分に気をつける必要があるのです。

一方南半球は夏時間になりますので日本よりも1時間早くなり月曜日のアジアオセアニアタイムのスタートは日本時間の早朝3時からとなる点にも注意が必要です。窓開けなどが起きる場合にはかなり早い時間からそれを察知できるようになるというわけです。

欧米の経済指標発表、相場スタートは完全に1時間遅れ

またこの冬時間のスタートでFXに影響がでるのが欧州と米国の経済指標の発表や中央銀行の政策金利発表の時間帯となります。

NYタイムでは夏時間なら21時半に非常に経済指標の発表が多いわけですが、これがすべて1時間遅れとなりますから相場が動きやすくなるのは夜の22時半ということになります。またNY株式市場のスタートは23時半ですからこれも相場には大きな影響を与えることになります。

ほぼ二か月に一回行われるFOMCの政策金利発表は午前3時から午前4時、その後のパウエル議長の会見は4時半から始まることになりますのでアジアオセアニア時間にそのまま影響を与える可能性が高くなります。

海外FX業者は月曜のスタートは夏時間は日本時間の午前6時に設定しているところが多いわけですが、冬時間になると月曜日は朝7時からの取引となります。逆に土曜日の終わりは朝7時になりますから1時間遅くまで取引が可能となります。

スワップの付与時間も木曜の朝6時から朝7時へと変更になりますので、ポジションの保有時間には注意が必要となります。

深夜に相場が動くことが多くなるのが大きな変更点

欧米の夏時間に比べますと相場が動く時間帯は日本時間の深夜になってくるわけで、当然NYタイムの取引やLondonFixでの取引を考える場合には夜中まで起きていなくてはならないということになります。またNY市場のクローズは日本時間の午前7時になりますからアジアオセアニアタイムにNY市場のテーマがそのまま流れ込んで相場の動きを継続しやすくなることにも注意が必要です。

夏時間から冬時間への移行は単なる時差の問題ですからそれ以外には大きな違いはないのですが、この1時間の差ができることによって相場の動きや東京市場への影響が微妙に変わってくること、また欧州勢の東京タイムへの参入が遅れることからトリッキーな動きが比較的消えることなどからその違いを感じることができるようになります。昼間正業で働き、副業でトレーダーをされている方にとっては夜の時間のピークタイムが1時間遅くなりますから取引しにくくなる方も多いと思いますが、冬場はどうしてもこういう時間割になってしまう点は納得するしかないのが正直なところです。こうしてみますと月曜の朝から土曜の朝まで24時間稼働し続けているFXではあるもののどうしても欧米勢の動きに相場が影響を受けていることを改めて感じさせられる次第です。11月3日は日曜日ですので具体的に時間が変更になるのは4日からが中心となります。ここからの取引には十分ご注意いただきたいと思います。