海外FXのスワップポイントの利益を翌年に繰り越す方法について

海外FXのスワップポイントの利益を翌年に繰り越す方法について

いよいよ11月も終わりが近づき今年も年末まであと少しとなりました。

FX取引をしていますとこの時期気になるのが年間の収益で、特に海外FXの総合課税による税金の支払いでは一体どれだけの支払いになるのかが非常に気になるところです。

そこで今回はその中でもスワップポイントを稼ぐインカムゲインの投資手法をやられている方にとって非常に重要なスワップポイントの税金がどのようになるのか、また翌年に繰り越す方法について解説してみたいと思います。

ポジションを手仕舞わない限り実現益ではない

スワップポイントはご存知のとおり金利の安い通貨を売って高い通貨を買った場合にFX業者の設定するポイントを得られるもので、業者によっては打売っても買ってもマイナスのスワップになってしまうといったことも考えられますが、あくまで業者と個人投資家との相対契約の中で起きることですから、一般的な金利差とは関係ない部分もある点には注意が必要です。

このスワップポイントで利益が出ている場合、利益の出たポジションを利益確定しない限りはあくまでポジションに利益がつく形となっている業者がほとんどあり、ポジション自体を利確しない限りはその年の利益にはなりません。

国内のごく一部の業者は毎日付与されるスワップポイントを口座のほうに自動的に付与するようになっているところもありますので、この場合は付与された日数分のスワップポイントが利益として計上されていますが、海外業者の場合このような仕組をとっているところはほぼないのが現状です。

したがって1年間ずっと同じポジションでスワップが積みあがっている場合でも、ポジションを利確しない限りその年の実現益にはならないという点はよく覚えておくことが必要です。

スワップポイントもFXの売買利益同様雑所得

利確したポジションのスワップポイントはそのポジション自体のキャピタルゲイン、つまり売買益と通算して利益が出た部分について雑所得の総合課税で他の所得と合算した上で税金の支払いを行うことになりますが、単体で利益が20万円以下の給与所得者であれば税金を支払う必要はありません。

ただし専業トレーダーでほかに何も所得がない場合はこの20万円は適用になりませんから注意が必要です。

実際の税金の支払いはほかの収入や控除できる社会保険等によって大きく異なりますので、迂闊に思い込まずに正確に計算してみることをお勧めします。

2020年1月2日に利確すればすべて2020年の利益

今年、2019年の1月31日のNYタイム終了時までにスワップポイントのついているポジションをまったく利確せずに翌年の1月2日に利確すればその利益はまったく今年分にはなりません。

しがたってほかの利益が大きい方はあえて先延ばしをして利確するというのも一つの方法になります。

利益を先延ばしにするのか今年の利益にするのかは年間収支をよく精査することが必要になります。

ここからは感謝祭、クリスマスとあまり取引できる営業日がありませんから、一旦年間の利益を締めて確認してみるのが重要です。

マイナススワップはコストとして収益から差し引ける

当たり前の話ですが、マイナススワップについては売買利益から差し引くことができますので利確した時に差し引かれていることをしっかりチェックすることが必要になります。

そんなことは滅多にはありませんが、為替売買の利益よりもスワップのマイナスのほうが大きい場合は当然のことながら税金の支払いの必要はなくなります。

長期保有は通貨ペアの価格リスクに直面する可能性もあり注意が必要

スワップの利益に関しては、日本の個人投資家は新興国通貨を長期に保有することで想像以上に大きな利益を収めている人が多いことから、FXの取引の中では決して馬鹿にはできないインカムゲインとなっています。

例えばトルコリラの暴落時にドルトルコリラやユーロトルコリラを売ることで延々と保有し続けますと、保有枚数にもよりますが海外FXならば100万円の規模になるケースもない話ではありません。

したがって今年中に利確して確定利益にするのか来年に引き延ばすのかは他の収入との兼ね合いでしっかり考えることが大切になります。

海外FXを利用した利益の確定申告は国内業者のように申告分離課税で21.315%だけ支払えばそれで済むといった単純なものではありません。

したがって面倒でもほかの収入を含めて本格的に確定申告を事前に行うつもりで精密な計算をすることが非常に肝要になります。

これができれば利益を翌年に繰り越すやり方はかなり有効な節税対策なることを覚えておきたいものです。