海外FXで出金拒否になる悪質トレードとは?

海外FXで出金拒否になる悪質トレードとは?

海外FXで出金拒否は起こるのか

悪質トレードをすれば出金拒否になる

24時間取り引きすることができ、レバレッジを効かせることで少額からでも始められる投資としてFX(外国為替証拠金取引)が注目を集めています。世界中で開発されているEA(Expert Advisor)を利用すれば、本業中でも就寝中でもシステムトレードで不労所得を得ることが可能です。国内FXはレバレッジが規制されており25倍が限界ですが、海外FXであれば数百倍のレバレッジを効かせることができるので、ハイリターンも期待できます。

「でも海外FXって出金拒否といったトラブルが発生しやすいのでは?」と、なかなかチャレンジできない人もいるかもしれませんが、ライセンスを所有している大手のFX業者であればそのような心配は杞憂です。ただし、ネット上では出金拒否になったという話を見かけることもあります。実際に出金拒否になったトレーダーがいるのも確かです。しかし、それは預けた資金を持ち逃げされたといったようなトラブルではなく、NGとされている悪質トレードを行ってルールに抵触しているケースが大部分です。

もしかすると知らずにルールに抵触するようなトレードをしている可能性もあります。確かにネット上では、「このトレードを行えば簡単に利益が出せる」と悪質トレードを奨励しているサイトもあるのです。悪意があるなしに関わらず、悪質トレードを行えば出金拒否(Deal Cancel)になります。Deal Cancelとは、利益の出たトレードを無効とし、その利益を取り消すことです。あくまでも利益が取り消されることであって、資金が没収されるわけではありません。

ただし、悪質トレードが発覚して出金拒否になったということは、同時に口座凍結になる可能性が高いでしょう。こうなるとそのアカウントではもう取り引きはできなくなってしまいます。ですから、事前にルールに抵触するようなトレードとはどのようなものなのかをしっかり確認し(この線引きはFX業者によって異なります)、疑われるようなトレードしないように注意するようにしてください。

悪質トレードをするとなぜ発覚するのか

海外のFX業者には少ないですが、DD方式(ディーリングデスク)を採用している場合、超短期売買を繰り返す「スキャルピング」は禁止トレードとされていることがあります。国内のFX業者はほとんどがDD方式なので、スキャルピングで利益を積上げていくトレーダーを嫌がります。DD方式はトレーダーの注文の大部分をディーラーが吞み、一部だけをカバー先の金融機関に注文を入れています。スキャルピングだとディーラーが対応できず、また、トレーダーの利益はFX業者の損失となる相反関係にありますのでスキャルピングを禁止しているFX業者が国内には多いのです。

スキャルピング禁止とされているのに、超短期売買を繰り返しているとすぐに発覚し、出金拒否になります。そのFX業者を通じて取り引きしているのですから発覚して当然です。しかし、他業者を巻き込んだり、別のトレーダーを巻き込んだりする悪質トレードも同じように発覚します。「バレるわけないだろう」という意識なのかもしれませんが、海外FXの場合は、MT4やMT5など共通するトレードプラットフォームを利用することが多く、IPアドレスの情報で他業者間のトレードであってもすぐに検知されてしまうのです。最近ではFX業者間のネットワークも発達しており、連携していますから、どのような手を使っても悪質トレードは発覚してしまいます。

この後、典型的な悪質トレードをご紹介しますが、利益が取り消されるだけでなく、口座凍結のリスクもありますから絶対に行わないように注意してください。中にはそういったトレードを行うために開発されたEAもありますから確認が必要です。

出金拒否になる悪質トレード

アービトラージ(裁定取り引き)

海外であればどこのFX業者でも禁止トレードに指定されているのが、それぞれのFX業者のレートの差を利用した鞘取り「アービトラージ」です。「裁定取り引き」とも呼ばれています。為替レートの差を利用するのはなかなか困難なので、スワップポイントに狙いを定めて行うケースが多いでしょう。

スワップポイントも日によって変動しますが、比較的安定しており、アービトラージがやりやすいという特徴があります。例えば米ドル/日本円(USD/JPY)を扱うとして、1Lot(10万通貨)のスワップポイントが、A社のロングが900円、ショートが-900円で、B社のロングが400円、ショートが-500円だったとします。A社でロングポジション100Lot、B社でショートポジション100Lot保有すると、B社では毎日5万円の損失が発生しますが、A社では毎日9万円の利益が発生するので、収支としては毎日4万円の利益となります。ロング・ショートともにポジションの量が同じなので、為替差益も為替差損も合計すると常にゼロになります。スワップポイントの利益だけが増えていくのです。

スワップポイントは売買を繰り返す必要がなく、ポジションを保有しているだけで利息分を得ることができますので、本業がどれだけ忙しくても関係なく不労所得で利益を積上げていくことができるというわけです。売買してすぐに損失を出してしまうトレーダーにとっては嬉しい話になります。

しかし、先ほどお伝えしたように他業者であっても同一の通貨ペアで同じだけのポジションを保有していることはすぐに発覚します。アービトラージしていた間のA社でのスワップポイントの利益分は取り消しになってしまい、B社のスワップポイントの損失分は残ったままになると大変な損失額です。まさにダブルパンチの状態になってしまうのです。

もちろん、アービトラージがバレなければ絶対に利益の出せる方法かというとそういうわけではありません。スワップポイントを多く得たいがために限界までポジションを保有すると、為替相場の変動で含み損が膨らみ強制ロスカットになってしまう可能性があるからです。特に実効レバレッジが高い状態でポジションを保有していると、あっという間に証拠金維持率が50%を割り込んでいきます。ですから余剰金が潤沢でないとそもそも使えない方法です。

別の口座や他業者との両建て

海外FXは国内FXよりも「ボーナス」が充実しています。50万円入金するとボーナスによって有効証拠金が倍の100万円になるようなケースもあります。さらに海外FXには国内FXでは規制されていて提供されていない「ゼロカットシステム」のサービスがあります。証拠金がどれだけマイナスになっても、マイナス分はFX業者が負担してくれるというものです。国内FXでは借金返済の追証が発生することがありますが、ゼロカットシステムを採用している海外のFX業者ではその心配がありません。

海外FXでは同じFX業者でも複数の口座を開設することが可能です。入金ボーナスには限度額があったり、出金できないという制限がありますが、別の口座を使って「両建て」すると、ボーナスを現金化することができます。同一の通貨ペアで、Aの口座では入金50万円とボーナス50万円でロングポジションを保有し、Bの口座では入金100万円でショートポジションを保有します。為替レートが急落し、Aの口座では100万円の損失があっても、Bの口座では100万円の利益です。Aの口座では損失の半分はボーナスですが、Bの口座で得た利益はすべて現金ですので出金できます。大暴落していたとしてAの口座の証拠金がマイナスになっていてもゼロカットされるのでまったく問題ありません。このような別の口座や他業者の口座を利用した両建ては禁止トレードです。出金拒否の対象となります。ボーナスの不正利用には各FX業者が目を光らせています。

このトレード方法ならば簡単に利益が出せそうだと思いついても、それがルールに抵触しないかどうかはしっかりと確認することが大切です。海外FXでは普通に取り引きしている分にはトラブルになることはなく、それで大きな利益を得たとしても出金拒否になることはありませんので安心してください。