海外FX利益の税金は本当に高いかの検証~②兼業トレーダー篇
さて今回は引き続き兼業トレーダーで海外FXを利用して利益をあげたらどういうことになるのかについても検証してみたいと思います。
専業トレーダーの方は「専業トレーダー編」をご覧ください。
この兼業トレーダーですが、この場合の税金の算出は実際に申告書類をつくってみないとなんとも言えない部分がかなり多くなります。
自分の給与所得を把握する
まず自分の給与所得を把握することが重要です。海外FXの場合にはそれにFXの雑所得分が上乗せされて税率が変わってくることにないますので、昨年までの源泉徴収票の写しや確定申告の控えなどを使って課税所得金額をまず認識することが重要です。
上の表は確定申告時によく登場する課税所得とその税率表です。
たとえば給与所得で課税される額が800万円であったとします。そこに海外FXで500万円の利益が別途発生するとなると、FXのほうはほとんど経費計上できるものがありませんから仮にパソコンやネット接続費で20万円の経費計上ができたとして480万円が課税申告所得にプラスになりますと1280万円が申告所得となることから
税率は一気に23%から33%となり12,800,000×0.33-1,536,000円で
2,688,000円が納税額となってしまいます。こうなるともとの給与所得の税率も上がり、FXの利益の税率もそれとともに33%にまで上昇することになり、税金は
給与所得だけのときの1,204,000円からじつに倍以上の金額に跳ね上がることになります。
これが国内の申告分離課税であればFX部分の税金は4800000円×0.2315=975,000円となり、もとの給与所得の税金1,204,000円と合算しますと
2,179,000円で508,000円のアップということになります。
いくら稼ぐと税率がアップするか常に考えることが重要
給与所得者の場合、自分の年収が給与部分でいくらになるかは1年やってみないとわからない部分も多いと思いますが、だいだいこのぐらいが課税対象年収だということを把握しておきますと海外FXで利益がでたときに税率が変わるのか変わらないのかだけはあらけじめ想定することができます。
たとえば上述の課税所得が800万の場合FXで99万円まで稼ぐかぎり税率は23%で国内FXの申告課税税率とあまり変わらないわけですが、110万円稼いでしまいますと全体が33%の税率になってしまうといった事前の想定はある程度できることにあるのです。
ただ儲けというのは結果論ですから儲けを調整するということはかなり難しいわけで言うは易しですが、実際には税率のために利益をコントロールするのは相当難しいと言わざるを得ません。
国内FXで同額が稼げるかどうかもよく考えるべき
海外FXの利益に関して言えば、国内のFX業者を使って自分が同じだけの利益を稼ぐことができるのかについてもよく考える必要があります。
たとえば888倍や1000倍というレバレッジを使えば100万円の証拠金で毎月40万円平均の利益をあげて480万円の年間利益を獲得するというのはそれほド難しいものではなく、うまいリスク管理さえすれば億トレーダーにはならなくてもこのレベルを実現することは全く夢物語ではありません。
しかしこの40万円平均を稼ぐのに25倍のレバレッジ取引で1000万円以上の証拠金がないと実現できないとなった時に、自分でそこまでの証拠金をねん出して国内業者に預託できるのかということもよく考える必要があります。ハイレバレッジだからこそ実現できた利益と考えれば税率が多少高くなっても仕方ないと考えることもできるのです。
海外FX業者の税率話というのはこのようにかなり微妙な内容を含んでおり、専業トレーダーの税金のように損得を見分けることができにくいのもまた事実であるということはあらかじめよく理解しておく必要がありそうです。
海外FXで利益をあげることができたトレーダーは海外業者のハイレバレッジを利用したからこそ実現できたというケースが多いのも事実で、そもそも海外か国内かという選択肢はない可能性も高いものなのです。
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