海外FX業者はなぜTAXヘブンを本拠地としていることが多いのか
日本人が口座を開設できる海外FX業者といいますと、なぜか日本ではそれほど聞きなれない場所に本拠地があり、気がつくとその殆どがタックスヘブン国になっていることがわかります。果たしてどうしてこういうことになっているのでしょうか。それには明確な訳があるのです。
べリーズ、セーシェル、ケイマン諸島、バヌアツ、バミューダ、セントビンセントグレナディーンなど皆タックスヘブンの国
主だった海外FXの業者の本拠地を調べてみますと以下のようなところが多くなります。
ベリーズ:FBS、AXIORY
セーシェル諸島:XMTrading
ケイマン諸島:Tradeview
バヌアツ共和国:TitanFX
モーリシャス共和国:MyFXMarkets
バミューダ:TTCM TradersTrust
セントビンセントグレナディーン:HotForex
こうした国は日本人投資家にとっては場所を明確に示せる方は結構少ないのではないかと思います。
こうやって一覧にして並べてみますと殆どがいわゆるタックスヘブンの国を本拠地としているのです。一体なぜなのでしょうか?
アジア圏向け別口座の本拠地なので税金の安いところを選定している
海外FX業者の場合、まず米国の国民を対象とする業者は米国内に本拠地を持たなくてはなりませんし、海外の顧客を相手にはできないことから米国を本拠地とする業者が一つも存在しないことがわかります。
同様にEU圏内に居住する顧客と取引ができるのはEU圏内に本拠地を持つ業者しか対応できなくなっているのです。逆にEUでビジネスをする業者はEU圏外の顧客との取引が明確に禁止されるようになっているのす。
そのためこれまでキプロスやUKなどを本拠地としていた欧州系の業者はあえて別法人を設立してEU圏外のビジネスに対応することが求められるようになったのです。
しかし、アジア圏でもっとも顧客の多い日本に本拠地を置いてしまいますと、金融庁の厳しい規制にあってしまい、海外FXならではのハイレバレッジやボーナスなどのインセンティブを一切提供できなくなってしまうため、この選択肢はありません。
したがって本来の法人とは別に別の口座を開設するために税金が安く、ライセンスの取得が楽な国が選ばれているというのが正直なところなのでしょう。
したがって多くの業者が税制上でも有利なタックスヘブンの国を選択しているのはこうした事業があるからなのです。
実際のオペレーションは全く別の場所が殆ど
例えば、XMのケースですとXMTradingはキプロスのXMとは別の法人となっていますが、実際には帳簿上のものであり、すべてのXMのサーバーはロンドンシティからほど近いデータセンターに格納されており、どちらの法人のアカウントでも変わりなく極めて高い約定力を発揮しています。
HotForexの日本人向けの法人はセントビンセントグレナディーンに設置されていますが、サーバーはNYにあり、世界的にも高速の取引を実現しているのが現状です。
したがって、言葉は悪いですが、ペーパー上もっともネットビジネスとして税務上の効率のいいところに本拠地を置いているだけで、それにより顧客にかかる負担はまったくないことがわかります。
よく聞いたこともないようなところを本拠地としている海外FX業者などと取引して大丈夫かといった不安の声を上げられる方も多いものですが、これは大きな勘違いです。あえて名前は出しませんが米国を本拠地としてNYSEにも上場している世界的なコンサルティングファームなどでもよくよく調べてみると親会社の形でケイマン諸島に本拠地があるなどといったことはよくある話で、タックスヘブンは想像以上に利用されているのが実態なのです。ある意味で海外のFX業者は非常にビジネスモデルの効率性に精通した存在であるということがあらためて理解できます。
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