海外FX業者が採用するNDD方式はなぜ透明性が高いのか

海外FX業者が採用するNDD方式はなぜ透明性が高いのか

FXというのは、まさにインターネットの普及とともに広がった投資法で、その昔ならインターバンクでさえブローカーを通じて電話でやりとりをしていたものをネット上でリアルタイムにチャートを見ながら売買できるようになったわけですから、インターネットビジネスの中でももっとも洗練され効率の高いものということができます。

しかし、実際のビジネスモデルの中身を精査してみますと海外業者が行っているNDD方式と国内業者のほとんどが行っているDD方式では、フロントエンドの見かけは同じでもバックエンドでは全くことなることが起きており、国内業者のビジネスは驚くほど不透明であることが改めて理解できます。
ここではこのNDD方式をなぜ海外業者が積極的に採用するのかについてまとめてみたいと思います。

徹底的な省力化のFXビジネスモデルがNDD方式

海外業者が採用しているNDD方式はSTPと呼ばれるものにせよECN方式にせよ顧客からのオーダーはすべてカバー先にオーダーとして転送され、それに利益が乗せれる形をとっています。もちろん複数のカバー先からの価格の最適化を専門のアルゴリズムが処理するというプロセスはとっていますが、顧客からのオーダーと利益相反するような行為は人的に一切行わないビジネスモデルとなっているのです。このため手数料分がどうしてもスプレッドに乗ることになりますし、ECNでも外出しという形でしっかり手数料を請求されることになるわけです。ある意味では非常にわかりやすいビジネスモデルということができます。まさにインターネットを存分に利用してできるだけ手間のかからない形にしてあることが明確に窺われる状況です。

DD方式の社内業務は4つのパターンで構成

一方国内の店頭FX業者がディーリングデスクを社内のおいて行っている業務は顧客からの売買オーダーに対して次のような4つのオペレーションを行います。

  1. 業者内の顧客による同一通貨ペアの売買の相殺
  2. 顧客のオーダーをそのまま外部カバー先に発注
  3. 顧客のオーダーに対する反対売買の実施
  4. 顧客のオーダーに対して何も行わない呑み行為

1は素人が考えてもだれでも想像のつく行為です。
相場に明確なトレンドが出ている場合には2のように顧客からのオーダーをそのまま外部のカバー先に転用してオーダーするケースももちろん存在します。

問題はここからで顧客の売買オーダーが明らかに相場の動きと逆行している場合は業者がそのオーダーとまったく逆さま、つまり3の反対売買を行うことがある
ことで、さらに明らかに損が加算するような状況では外部に反対売買すら出さずに顧客が自ら証拠金を減らすのを呑みを行うことで待つことすらあるわけです。

1や2を除けば顧客に損失が発生することが業者に多分の利益をもたらすビジネスモデルになっているわけですから、暴落すれば必要以上にスプレッドが自動的に開いてしまったり、強制ロスカットをうまく機能させない動きが示現することはかなり考えられるわけで、これだけとってみても国内業者のDD方式が金融庁に認められているのはかなり不可解です。世界的に見ましてもこうしたビジネスが公然と認められているのはほとんど日本だけで、海外業者で社内にディーリングデスクを置いて顧客と反対売買をトレーダーが行うようなことを積極的に行っているのは本当に日本だけとも言える状況なのです。

一般的に個人投資家の9割近くは相場の流れと異なる方向に売買をしてしまい、損失を出しても孫切をしないため証拠金のほとんどを失って退場するケースが非常に多いと言われています。
したがってカバー先に何も出さずにすべて呑みで待っていても実に9割りの顧客の証拠金が利益として得られるわけですから、どれだけ見かけ上のスプレッドを狭くしてもきちんと利益を確保できるキャッシュポイントをしっかり保持していることがわかります。

したがって国内業者には、ストップ狩りや故意のスリッページの発生、妙に広がるスプレッド、リクオートの発生など顧客にとっては非常に不可解な取引状況が示現しやすいのが大変よろしくない意味での大きな特徴となってしまっています。
またDD方式の業者に限って高速のスキャルピングや自動売買を禁止する傾向があり、利益を獲得できない問題がこのあたりに潜んでいることがわかります。
このようにDD方式の業者を使うことは顧客にとっては殆どメリットが存在しないのが実情で、日本の個人投資家も原則最狭スプレッドだけにつられて取引しているのでしょうが、実際のところ何のメリットもないことをもっとよく認識しなくてはならない状況といえます。

NDD方式の海外業者のほうが断然透明性が高い

こうやって見てきますとNDD方式を採用している海外業者のほうがはるかに国内業者よりも透明性の高い取引ができることがわかります。
国内の金融庁は海外FX業者が国内に法人を開設して本拠地を持たないという理由だけで闇雲に危ない存在として扱い、ホームページ上でも危険な業者リストを公開していますが、しっかりとした資本の海外FX業者のほうが国内業者よりもはるかに安全な部分を持っていることも理解してなくてはなりません。当然のことながら海外業者でなおかつDD方式をとっているところなどは取引する価値は全くありませんので即刻中止すべき存在であることも改めて認識していただきたいと思います。