FX取引にとってのファンダメンタルズとは

FX取引をしていますとファンダメンタルズという言葉を頻繁に聞くことになります。このファンダメンタルズとは一般的には各国の経済活動における状況を示す要因のことを指し示すものすべてがこう呼ばれるものです。しかしそれに該当する事象や経済指標は限りなく奥が深く、すべてを掌握しようとしても所詮無理があります。また経済学を極めるわけではありませんからFX取引を実現するために理解しておかなくてはならないファンダメンタルズというのはあくまで投資に役立つ、しかも相場を動かす材料であるということをしっかり理解しておかなくてはなりません。

経済全般に詳しくなっても投資に直接活かせるわけではない

金融市場の世界でファンダメンタルズといっても株式市場に役立つものとFX市場に役立つファンダメンタルズというのは微妙に異なるものがあるのもまた事実です。昨今の金融市場はお互いに連携性がかなり高まっていますから株と債券、為替には相関、逆相関がかならずありますから広義の意味ではファンダメンタルズは共通であると言い切ることもできますが、実際にはやはり少しずつ異なるものであると理解すべきでしょう。為替取引の場合には二国の経済状況、金融状況を政策金利の違いから発生する動きが主体となりますのでまずは対象通貨の国の経済状況のことをしっかり理解しておく必要があります。

但し、世界経済の中心である米国の状況というのは相対的な動きの中であらゆる通貨に影響を与えることになりますので、この国の経済指標や景気動向を掌握しておくことは必須のものといえます。ただし、経済全般に詳しければ投資の世界で儲かるかといえば決してそうではありません。それならば経済学者がもっとも投資上手になるわけですが、実際の相場の世界で生き抜いている優秀なプレーヤーは決して経済全般に精通しているわけではないことは理解しておくべきでしょう。

相場でテーマになっていることを理解することこそFXのファンダメンタルズ

FXにおける相場予測はファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を利用していくのが一般的ですが、為替市場はとかく政治に翻弄されやすいものですからテクニカルだけで勝負をするのはよほど短い時間足取引ならば別ですが、一定の期間ポジションを保有するのであればやはりファンダメンタルズを理解しているほうが有利になることは確かです。とくに為替相場がテーマにしているファンダメンタルズのネタをしっかり理解しておくことが重要になるのです。

為替の世界は面白いもので一旦市場が大きなテーマであると認識するとその材料だけで非常によく相場が動くことになります。しかし一度テーマからはずれてしまいますと、同じ材料で同じことが起きても相場は動かないというきわめて理不尽な状況が繰り返されます。いかに市場がテーマと考えているファンダメンタルズの材料を認識し理解するかが大きなポイントになっているのです。

ファンダメンタルズだけわかっても投資では儲からない

投資の世界では常に語られることですが、ファンダメンタルズの視点から相場の方向感といったものがしっかり掌握できてもいつそうした相場が示現するのかを正確に当てられないことには利益を出すことはできません。たとえばドル円はここから年内に100円になるということが見事相場で当たったとしても100円の前に一旦110円になってから大幅下落するのがリアルの相場である場合、今からショートのポジションを大量に保有して待ち構えても一旦上昇を挟むことで結果的に損切りを余儀なくされて大損し、証拠金を失って相場が100円になる前に退場を余儀なくされるということはよくある話です。

つまり相場予測を当てるということと相場で儲かるということは必ずしもリンクしていないのです。どのタイミングで売買するかについてはファンダメンタルズだけではわかりませんから、やはりそこにはテクニカルによるサポートが必要になってくるものなのだということは理解しておく必要があります。

ハイレバレッジFXではとくにファンダメンタルズだけの取引は注意が必要

海外FXにおけるハイレバレッジ利用の取引ではポジションをもって当初の想定通りに相場が動き、比較的短時間でリカクに持ち込むことができればこんなに効率的な投資はないといえます。しかし時間をかけて相場でポジションを持っている場合、とくに証拠金に対して過分なポジションをもっていると、たとえファンダメンタルズを理解して相場の方向を掌握し、結果的に相場がその通りの動きを見せることになったとしても、その途上で逆行することもあれば要人発言や経済指標、地政学リスクなど予期せぬ材料で一時的に相場が逆方向に動いて途中でやられてしまうということは相当多く発生するものです。レバレッジを落としておけば乗り切れるものでもハイレバレッジですと証拠金をすっかり失うというリスクは常について回ることになります。それだけにハイレバ取引ではファンダメンタルズはしっかり理解しつつもテクニカルも十分に掌握することでファンダメンタルズとテクニカルが一致したときだけエントリーするといった工夫が必要になるのは言うまでもありません。株式相場と違い、為替は長時間、さらに長期間保有していたから利益が増えるとは限らない取引です。このあたりの感覚は海外FXで売買するときにはしっかり意識しておくことが肝要です。