TradeviewやFxProで利用できる「cTrader」のメリット

TradeviewやFxProで利用できる「cTrader」のメリット

cTraderのメリット

cTraderでECNの透明性をアップ

FX(外国為替証拠金取引)のトレードプラットフォームは、国内だとそれぞれのFX業者が独自に開発したものを提供していることが多いですが、海外の場合の主流は「MT4」(MetaTrader4)になります。後継のMT5も提供されていますが、MT4は今も根強く定着し、多くのトレーダーに愛用されています。

そんなMT4に対抗すべく、2011年にSpotware Systems社によって開発され、一部のFX業者で採用されているトレードプラットフォームが「cTrader」です。MT4を採用していないFX業者を探す方がたいへんなぐらいの中ですから、cTraderを導入しているFX業者は20社ほどに限られますが、欧州中心に好評で、徐々に浸透しつつあります。基本的にはMT4の口座とは別にcTraderの口座も開設できる仕組みで、どちらにも対応しているFX業者がほとんどです。

cTraderはNDD(ノーディーリングデスク)方式の中でも、リクイディティプロバイダーや銀行などが参加している「Electronic Communications Network」(ECN)に直結して取り引きする際に有効です。ECNですと、ブローカーを仲介しないため、為替レートの操作や約定拒否がありませんし、スプレッドと手数料が分けて表示されるので透明性の高い取り引きを行うことができます。

cTraderでは、「板情報」によって、どの為替レートにどのくらいの注文量が入っているのかを確認することができ、市場の流動性と照らし合わせながらの取り引きが可能です(MT5では確認できますが、MT4はEAのダウンロードが必要になります)。

また、大口の注文をする場合はスプレッドが広がり、実際に約定するとスリップページが発生しやすいですが、そこもしっかり提示してくれます。例えば、米ドル/日本円(USD/JPY)で、750k(75万通貨)の買値(Ask)が1ドル108.501円だったとして、5m(500万通貨)の買値だと1ドル108.502円のように、事前に0.1pipsの価格差があることがわかるということです。

このようにECNの透明性を最大限に引き出せるのが、cTraderのメリットになります。

便利なcTraderの操作性

cTraderで嬉しい機能は、日本語対応で、日本時間への切り替えも簡単だということです(MT4やMT5でもインジケーターをダウンロードすれば可能です)。GMT+0(グリニッジ標準時)に慣れていない場合や、ロンドンとの時差となる9時間で計算するのが面倒なトレーダーにとっては助かります。

またcTraderでは「ポジションの一括決済」が標準搭載されています。MT4でもEAをダウンロードすれば一括決済できるのですが、あくまでも自動的に順番に決済されているだけなので時間ロスの分だけ為替レートの変動が生じてしまいます。cTraderであれば、その点をしっかりと補ってくれるのです。

保有しているポジション量を自由に変更することも可能です。例えば100万通貨保有していたとして、そのうち40万通貨は利益確定のため決済し、60万通貨はそのまま保有し続けることなど簡単に操作できます。

ただし、デメリットもあります。MT4にはEA(Expert Advisor)のような自動売買のツールが、世界中で星の数ほど開発されています。cTraderではEAの代わりに「cBot」と呼ばれる自動売買ツールが開発されていますが、サポートしているサイトはEAに比較すると圧倒的に少ないのが現状です。これには当然のように普及率が影響しています。

大手FX業者の「AXIORY」にcTraderのアカウントがありますが、こちらではcBot開発環境となる「AXIORY cAlgo Editor」がダウンロード可能になっており、cBotの書き換えも可能です。

EAをcBot用に変換することも可能ですが、かなり専門的な知識が必要になりますし、そのような手間をかけるのであれば初めからMT4やMT5のトレードプラットフォームを利用した方がいいでしょう。

このように、システムトレードを行うのであれば、cTraderよりもMT4やMT5は自動売買ツールが充実しています。ただし、透明性が高い中で、スキャルピングやデイトレードといった裁量トレードを行うのであれば、操作性も便利なcTraderを利用するのがおすすめです。

cTraderを採用しているFX業者

Tradeview

cTraderを採用しているFX業者としては、AXIORYが有名ですが、その他にはどのようなFX業者があるのでしょうか?

cTraderを採用している大手のFX業者のひとつが、「Tradeview」です。Tradeviewは、オフショア市場のケイマン諸島のライセンス(CIMA)を所有しており、ボーナスはほとんどないものの、スプレッドが業界最狭水準であることで有名です。

TradeviewではMT4、MT5のECNアカウントも用意されており、手数料はcTraderのアカウント同様に1Lot(10万通貨)で往復5ドルです。ECNのスプレッドは米ドル・ユーロ・日本円の通貨ペアであれば、0.1pips~0.3pipsほどになりますので、手数料を合算しても1.0pips以内で取り引きができるというわけです。

他のアカウントが0.1Lot(1万通貨)からの取り引きになっているのに対し、cTraderは0.01Lot(千通貨)から取り引きができますので、より少額の資金でスキャルピングするのならばcTraderが最適です。ただし、最少入金額は1,000ドルとなっています。

レバレッジは最大で400倍まで可能ですが、強制ロスカットの水準が証拠金維持率100%と高いため、許容できる損失をしっかり考慮し、実効レバレッジは低くして取り引きしていく必要があるでしょう。

Tradeviewのメリットは、入金システムにもあります。Tradeviewではbitwalletによる入出金が可能です。bitwalletに入金するのであれば、VISAやMastarcard以外にも様々なクレジットカードが利用できますが、一般的には入金額の4%~5%を手数料として支払う必要があります。Tradeviewはbitwalletへの入金手数料を負担してくれるのです。

スプレッドといった取り引きコストを抑え、さらに入出金に関するコストも抑えながらFXをするのならば、Tradeview のcTraderがそのニーズに応えてくれます。

FxPro

他にもcTraderを採用しているFX業者に、老舗の「FxPro」があります。FxProもMT4、MT5のトレードプラットフォームが利用できますが、ECNに対応しているのはcTraderのアカウントのみです。

スプレッド以外の、ECNの手数料は1Lot(10万通貨)で往復9ドルと高めですが、レバレッジは最大で500倍、強制ロスカットの水準も証拠金維持率30%ですから、Tradeviewよりもハイリターンを期待してポジションを多く保有しやすい環境になっています。

最少入金額も500ドルですのでTradeviewよりもcTraderでの取り引きを始めるハードルは低めです。扱える通貨ペアもTradeviewが41種類なのに対して、FxProは69種類となっています。通貨ペアのラインナップが豊富だという点もFxProの魅力のひとつでしょう。

同じcTraderというトレードプラットフォームであっても、FX業者によって環境はかなり変わってきます。ぜひ自分のトレードスタイルに合ったFX業者を選択すべきです。

NDD方式の中でもより透明性の高いECNのスペックを充分に発揮させるために、ぜひcTraderを有効活用してください。