動かない為替相場~海外FXでスワップポイントで稼ぐにはどうするか
為替相場は今年に入っても地政学リスクなど大きな材料があればそれなりに動きますが、一息つくとまた非常に動意が限られる状態が続いています。動かない時にはとにかく様子を見て休むも相場という考え方もありますが、常態的に動かなくなって休み続けたのでは全く儲けを得ることができませんから、何かこれまでと異なる視点でFXに取り組む視点が必要になってきている状況です。そこで為替取引の基本に立ち返って海外FXにおける通貨売買のスワップに注目してみたいと思います。
もともと海外FXは国内業者には全く存在しないハイレバレッジが利用できることに加えて、クレジットボーナスにより自らが投入した資金より大きな資金として取引きができることが非常に注目され、国内から海外FXを利用するユーザーもこの2つのポイントに絞った形で業者を利用しているのが実情です。したがってスワップポイントに注目して海外FX業者を選択するというのはなかなかみられないことであるともいえます。しかしこの視点で主要な業者をチェックしてみますと結構付与されるスワップの内容は業者ごとに異なっており、利用できるところとできないところが見えてくるのです。
海外FXの場合業者によって極端にスワップの付与額は異なる
FX取引というのは国内であっても海外であってもいわゆる相対取引と呼ばれるもので、あくまでも業者が提供する取引条件の中で売買を行うことが基本になっています。スワップポイントは一般的には政策金利の安い通貨を売って高い通貨を買えばその差がスワップとして付与されますし、逆に金利の高い通貨を売って安い通貨を買えばスワップを支払うことになるわけですが、付与される金額に比べて支払う金額はかなり大きくなるのが一般的であり、またこうした付与額、支払額は業者によって大きく異なってくるのが実情です。本来政策金利差がベースですから業者ごとにそんなに大きな違いがあるはずはないのですが、実はこの部分に各業者の取引コストが計上されているため実際にはかなり違いが発生するものなのです。
とくに海外FX業者の場合には取引しているリクイディティプロバイダーとなるインターバンクやブローカーなどとの決済が米ドルなのか、ユーロなのか或いはさらにほかの通貨なのか等によって円建ての口座のスワップは相当業者ごとに異なるのが実情です。まあ酷いところになるとドル円やユーロドルは買っても売ってもポジションを持っているだけでスワップをとられるというケースもありますし、逆にGEMFOREXのようにドル円なら微々たる金額ですが、なぜか買っても売ってもスワップが付与されるという極めてレアなケースもあるのです。したがって海外FXの取引でスワップで儲けようと思うのであれば円建ての口座でお目当ての通貨ペアの取引をして場合にリアルでいくらのスワップが付与されるのかを精密に事前チェックしませんと迂闊な取引ではまったく儲からないということに追い込まれることもあるので相当注意が必要です。
どの通貨ペアで取引するのかをあらかじめ決めておくこと
まずはどの通貨ペアでスワップの利益をあげていくのかをあらかじめ決めておく必要があります。
足もとで高金利通貨となりますとロシアロシアルーブル、トルコリラ、南アランド、メキシコペソ、人民元などがあげられますが、まずロシアルーブルは極めて流動性が低く、しかも大きく価格が下がることが多いので海外FX業者でもハイレバレッジの対象としているところは少なく、しかも欧州時間以外にはまったく動かずに売買ができなくなることもあるのでいくらスワップ狙いといっても利用するのはかなり難しく現実的ではありません。
それ以外ですと本邦の個人投資家に人気なのはトルコリラと南アランドですが、この両国ともに最近政策金利を下げていますからひと昔前に比べるとスワップポイントはとりにくくなっているのが実情です。国内では競争環境が厳しいのでトルコリラなどはそれなりのスワップが足元でもつきますが、海外では国の抱えるリスクの方が大きいことからそれほど人気の取引通貨にはなっていない状況です。
またトルコリラと南アランドは日本円との通貨の組み合わせはほとんどの海外FX業者では設定がなく、米ドルかユーロとの通貨ペアになりますが、そもそもの政策金利の安いユーロとの組み合わせのほうが金利獲得上は有利になります。したがってユーロトルコリラ、もしくはユーロ南アランドを売ることでスワップを獲得することが狙いとなります。
さらに最近ですともっとも国内の個人投資家に人気が高いのがメキシコペソになります。メキシコペソの場合国内業者はメキシコペソ円の設定が殆どですが、この通貨はほとんど動かず5円から6円の間を上下するだけですので長期のポジション保有をしてもトルコリラのようなリスクが少ないのが特徴となります。
海外FXの場合はやはり円との組み合わは設定されておらずドルメキシコペソの取引になります。こちらの場合米国内にいるメキシコ人がかなり送金を行うことから実需が発生しやすくドルメキシコペソも比較的動かない通貨ペアとなっているのでスワップ狙いで売るのはそれなりの妙味がある状況です。
意外な高金利通貨となるのが人民元でオフショア人民元については政策金利が4.35%あることからそれなりのスワップポイントを得ることができます。価格自体は相当厳密に中国人民銀行により管理されていますのでスワップだけとるのにはかなり向いている通貨ということがいえます。但しこの通貨も海外業者で設定されているところは意外に限定されていますので、うまく見つけることが重要になります。
狙った通貨ペアのスワップの付与状況を事前検証することが重要
海外FXのスワップは業者によっては事前につねに最新の情報をホームページやネット上で公開しているところがありますのでそれをチェックすることは非常に有効に機能します。
たとえばXMであればXMスワップ計算機がサイトに実装されていますので、リアルタイムで証拠金額と付与される最新のスワップを把握することが可能です。
XMスワップ計算機
またAXIORYではホームページ上に通貨ペア事のスワップも含めた一覧が表示されますのでこちらをチェックしておけば簡単に最新スワップがわかります。
Axiory通貨ペア価格一覧
Titan FXも同様にスワップポイント一覧表を開示しています。
Titan FX スワップポイント一覧表
上記以外の業者の場合には、口座を開設しMT4上でいつでも最新のスワップを確認可能です。
MT4上の気配ねの通貨ペアを右クリックし、さらにそのリストの中の仕様をクリックします。するとお目当ての通貨ペアの最新のスワップポイントが円建ての口座ならば円で表示されますので間違いなく確認が可能です。どこの業者のMT4でも同じですがちなみにTitanFXでは次のように確認すればリアルなスワップの最新数字がわかります。
↓
多くの業者はリアルタイムのスワップ情報をホームページ上で開示するのが大変であるためほとんど公開していないことが多いわけですが、ある程度ターゲットとなる業者を絞り込んだ段階で実際に口座を開設するなりデモ口座を利用するなりしてここまでチェックするのが間違いのないスワップ獲得取引法となります。手間はかかりますがその労力に見合うスワップの獲得ができるはずです。
海外FXのスワップの付与日は国内業者とは異なる
この海外FXのスワップの付与ですが、特定国の顧客だけを相手にしているわけではないのでスワップの付与は水曜日のNY取引が終了した時点、つまり日本時間でいいますと木曜日の朝に3日分が付与されることになります。国内業者ですと国内の祝日に合わせて、ゴールデンウイークや年末年始で金融機関がお休みになるようなタイミングでは5日分や7日分が付与といった特別なことが起きますが、年始の一斉休業日以外は海外FXは常にこの3日分の付与が行われる木曜の朝以外はすべて通常通りに付与、およひ引き落としが行われます。
スワップ付与および引き落としの時間は主要な業者は以下の通りとなります。
若干時間が異なる部分もありますが、殆どは夏場なら朝6時、冬は朝7時のタイミングとなります。
冬時間から夏時間に切り替わるのは米国と欧州は若干異なりますが、3月25日から31日ごろから夏時間へと変わります。
レバレッジのかけ方で同じスワップをとるにも証拠金コストは変わる
スワップポイントというのは通貨ペアごとの一定の取引ボリュームについて比較していくものですが、同じスワップポイントを確保するために必要な証拠金はまさにレバレッジのかけ方によって異なってくる点にも注意が必要です。
たとえば1000倍のレバレッジをかければ500倍のレバレッジの半分の証拠金で済むことになりますが、相場が動けば利益や含み損は相場の動いた量で同じになる点はしっかり覚えておく必要があります。
またトルコリラ円や南アランド円、メキシコペソ円はもともとの組み合わせが安い証拠金になりますが、米ドルやユーロとの組み合わせになるとスワップはとれても証拠金自体が円との組み合わせより基本的にコストがかかるという点にも注意が必要です。
ご紹介しましたように海外FXでもその気になればスワップポイントを獲得して利益を上げていくことは十分に可能です。
個別の通貨ペア毎にスワップは結構業者によって異なりますが、XM、AXIORY、TitanFXなどにお得な設定がありますのでネット上の情報だけでなく業者が発信するリアルな取引情報をしっかりしらべてどこの業者で取引するかを決定するのが大きなポイントといえます。
それと最後になりますが、スワップポイントというのはそれだけ利益として出金することはできません。あくまでポジションをリカクしたときにはじめて実現益として確定するものですから、利益を引き出したいときには一定の期間ごとにしっかりリカクすることが必要になることだけは忘れないようにしておくべきでしょう。
以上、海外FXでスワップポイントで稼ぐ方法についてご紹介しました。
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