スプレッドの狭さで選ぶのならこの2社
スプレッドの重要性
スプレッドは手数料
24時間取り引きすることができ、さらにレバレッジを効かせることで少額の資金でも大きなリターンを生み出すことができるのが、「FX」(外国為替証拠金取引)です。FXのウリは、投資信託のように多額の手数料がかからない点ですが、表向きは「手数料ゼロ」となっていても実際は「スプレッド」によって徴収されています。
スプレッドとは、「買値」と「売値」の差額です。例えば米ドル/日本円(USD/JPY)の通貨ペアで、ドルを買ってすぐに売ると、為替レートが変動していない場合、スプレッド分だけ損失となります。ドル売りから入ってすぐに買っても同様です。設定されているスプレッド以上に為替レートが変動しなければ利益は出せません。
国内FXはスプレッド競争が熾烈です。米ドル/日本円(USD/JPY)のスプレッドはほぼ限界ともいえる0.3pipsで提供しているFX業者が多い状態です。逆に海外FXではここまで狭いスプレッドは提供していません。レバレッジが高いのは海外FX、スプレッドが狭いのは国内FXということになりますが、海外FXが国内FXよりもスプレッドが広いのには理由があります。
国内FXはほとんどが「DD方式」(ディーリングデスク・相対取引)です。ここは仲介するディーラーの腕の見せ所ですが、トレーダーからの注文を吞み、カーバー先に注文を出すのはその内4割程度です。6割吞んでいるのは、その取り引きが負けることを見越しているからになります。つまり国内FXの場合、トレーダーの負けが、FX業者の収益となるわけです。利益相反の関係にありますので、トレーダーに不利なスリップページや約定拒否、ストップロス狩りなどを行い、スプレッドを狭くした分の収益を補完しています。それができるからこそ国内FXは極限までスプレッドが狭いのです。
一方で海外FXはほとんどが「NDD方式」(ノーディリンググデスク)です。リクイディティプロバイダー(LP)が提供する価格のうち最も有利なものをトレーダーに伝え、注文を受けます。こちらは100%LPに流すので、吞みがありません。スプレッドが収益源なので、取り引き回数が多ければ、FX業者の収益も増します。トレーダーにとって不利なスリップページやリクオートなど、トレーダーの足を引っ張るようなことは発生しないわけです。透明性が高いからこそ、海外FXのスプレッドは広いということです。
取り引き回数が多いトレードスタイルほどスプレッドは狭い方がいい
1万通貨で取り引きをしている場合、0.3pipsといえば30円ほどです。10万通貨であっても300円ほどです。10万通貨のポジションで予想通りに1円動けば、含み益は10万円ですから、300円の手数料など負担にも感じないはずです。
海外FXで1.1pipsのスプレッドだと、10万通貨で1,100円の手数料ということになります。ここだけ比較すると海外FXの方が、コストがかかることがわかります。ただし海外FXはNDD方式なので、コストは限定的です。逆に国内FXは不利なスリップページで1.0pips滑って約定することなどがありますから、0.3+1.0=1.3pipsとなり、実は海外FXよりもコストがかかっていることになるのです。
理想は、NDD方式を採用しており、さらにスプレッドが他社より狭いという海外FX業者で取り引きをすることでしょう。中期・長期のトレードスタイルであればスプレッドはまったく負担になりませんが、スキャルピングなどの超短期売買の場合、1回1回の取り引きにスプレッドがマークアップ(上乗せ)されるので、スプレッド分だけでも大きな負担です。スキャルピングを行う場合は特に、スプレッドが狭い海外のFX業者を選ぶことが重要になります。そうすることで収益は大きく変わっていきます。
それでは海外FXを行ううえで業界最狭スプレッドを提供してくれる2社をご紹介いたしましょう。
有利なスプレッドを提供してくれるおすすめFX業者
ECNであれば「AXIORY」
海外FXで最狭水準のスプレッドを提供しているのが、Axiory Golobal Limitedが運営する「AXIORY」です。AXIORYのナノスプレッド口座は、NDD方式の中でも、インターバンクに注文を直接ぶつける「ECN」(Electric Communications Network)になっており、スプレッドは屈指の狭さです。ただし海外FXは変動制が主流のため、国内FXのように原則固定ではありません。目安はあくまでも平均スプレッドになります。最小スプレッドも記載されていることが多いですが、一時的に狭い時のものなのであまり参考になりません。
米ドル/日本円(USD/JPY)であれば、0.3pipsほどが平均スプレッドです。国内FXの最狭水準に匹敵します。しかもNDD方式なので透明性は国内FXよりもはるかに高いのです。AXIORYにはMT4の他に、ECNに特化した「cTrader」というトレードプラットフォームも用意されています。こちらだと板情報も確認でき、さらに透明性の高い取り引きが可能です。
ただし、ECNはスプレッドの他に別途、手数料がかかります。AXIORYのナノスプレッド口座の場合は、1Lot(10万通貨)で片道3ドルの手数料です。ですから往復で計算すると、AXIORYのナノスプレッド口座の実質スプレッドは0.9pipsほどです。変動制ですのでこれよりもスプレッドが広がるケースもありますが、コストをかけずにスキャルピングといったトレードスタイルであれば、業界最狭水準のAXIORYがおすすめです。その代わり、スプレッドが限界まで狭いため、ボーナスといった特典はありません。
STPであれば「TitanFX」
NDD方式はECNだけではありません。「STP」(Straight Through Processing)という、LPから提供された価格にマークアップして価格表示する方法もあります。こちらはスプレッドに手数料が含まれていますので、ECNのように別途手数料を支払う必要はありません。
STPは透明性が高く、呑まずにそのまますべてLPに注文を流すため、スプレッドだけがFX業者の収益になります。ですから海外FXは国内FXのスプレッドよりも広く設定されるのは仕方のない話です。しかし、その中でも業界最狭水準を誇るのが、Titan Fx Limitedが運営する「TitanFX」です。
AXIORYが最大レバレッジ400倍であるのに対し、TitanFXの最大レバレッジは500倍です。TitanFXにもブレード口座というECN用のアカウントが用意されており、手数料は1Lot片道3.5ドルかかりますが、スプレッドはかなり狭いです。さらにTitanFXはSTP用のアカウントであるスタンダード口座のスプレッドもとても狭く設定されています。変動制なので平均スプレッドになりますが、米ドル/日本円(USD/JPY)であれば、1.3pipsほどです。
AXIORY同様にTitanFXもボーナスを実施しておらず、その分スプレッドを限界まで狭くしています。最近では、ボーナスは必要ないので、そのコストを狭いスプレッドサービスに転嫁してほしいというニーズも強まっており、そういったFX業者も人気を集めています。ボーナスはルールが決まっており、扱いが限定的でなかなか難しいため、純粋にコストがかからないFX業者を希望するトレーダーも多くいるのです。
必要なコストを抑えて、FXで利益を出していくのであれば、「AXIORY」や「TitanFX」を試してみる価値があるでしょう。現状でなかなか収益が増えないのであればぜひAXIORYのナノスプレッド口座やTitanFXのスタンダード口座を活用してみてください。
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